インプラント手術とは
インプラント治療は入れ歯やブリッジの欠点を克服した画期的な治療法です。近頃、インプラント治療を受ける人が増加しています。
インプラント治療は、あごの骨の中にチタン性の人工歯根を埋め込んで、その上に高品質セラミック製のクラウン(人工歯)をかぶせます。インプラント治療した歯以外の歯にも負担を掛ける事はありません。術後の違和感は無く、見た目も綺麗で噛みこむ力も自然歯とほとんど変わりなく、あごの骨に伝わる感覚も自分の歯と同じようです。
インプラント治療は、画期的な治療法として、現在多くの歯科医で行われています。
インプラント治療は外科手術を行う歯の治療法です。初めての経験にはだれでも不安を感じます。ましてや“手術”と聞けば余計です。インプラント治療後は、痛みは無いのか、治療後は不便さを感じる事は無いのだろうか、と不安や恐怖間を抱く人は多いだろうと思います。
インプラント治療は、それほど心配することはありません。インプラン手術は、抜歯と同様に局所麻酔をして行いますので、手術中に痛みを感じることはありません。
時間的にも、それほどかかりません。
インプラント手術の内容を良く理解しておくことによって、手術への不安は少なくて済みます。
インプラント手術前のチェックと施術直後の注意点
●施術前のチェック
手術前に確認しておきたい大事なことの一つに、うまく口を開けておくことができるか、というポイントがあります。
手術時間は普通15分程度ですが、その間、ある程度大きく口を開けることができないと、インプラント挿入が難しくなります。
指3本(人差し指+中指+薬指)を縦に入れることができればまず問題はないです。開きにくい人は、インプラント手術をしてくれる医師に前もって伝えておくことが必要です。
その問題を解決するには、毎日、口を大きく開く練習をします。毎日練習することによって、少しずつ開くようになります。
●施術後の注意点
注意事項は抜歯の時と同じです。抗生物質や痛み止めが出されますが、鎮痛剤以外の処方された薬は、体に変調がない限り服用します。抗生物質は1週間分、飲みきります。雑菌から傷口を守る為、ちゃんと指示通りに飲む事が必要です。
最初の2日間くらいの食事はジュースやスープ、栄養価の高いベビーフードなどの柔らかく、あまり噛む必要のない物を摂ります。インプラント治療した箇所とは反対側の歯で噛むようにして食べます。
熱いものや辛いものなどの刺激物も避けます。
大きく口をあけたり、笑ったりするのも避けるようにします。
過激な運動も2、3日は避けます。飲酒・喫煙も、2週間位は出来る限り控えます。
毎食後と就寝前には、処方された薬で口内の消毒をします。
*医師に指示された事を忠実に守ることが、インプラント手術成功の重要なポイントです。
インプラント手術の流れは?
インプラント手術が可能なのか、何本インプラントを埋めるのか、などをまず検討します。断層写真を撮って医師と念入りに治療計画をたてます。
手術は、インプラントを入れるための穴を開ける為、局部麻酔をして歯肉を切開します。
次にインプラントを入れやすくする為に、ネジ状の溝をつけ、インプラントを埋め込みます。
その後、インプラントと骨がくっつくまで、骨の状態や様々な条件により異なりますが、1ヶ月〜3ヶ月待ちます。
この期間は、インプラントの上に仮歯を使用する場合があります。
インプラント本体と骨がくっついたら、再び歯茎を開いて、人口歯を装着する準備をします。
歯茎が治った時点で、人口歯の作成のため、型を採り、人工歯を装着して一通りの治療が終了です。
インプラント治療後のメンテナンス
インプラントは適切なメンテナンスをしっかりと行えば、永久的に使うことができるといわれています。日々のメンテナンスを怠ると、永久的なインプラントの寿命を短くさせてしまうことになります。
より良い状態でインプラントと長く付き合っていくために、自身でする定期的なチェック・メンテナンスは必要不可欠です。
インプラント治療後、自宅で行う重要なメンテナンスは、毎日の「丁寧な歯磨き」です。
指導されたブラッシング方法で正しく行い、「飲食後すぐ磨く」ことを心がけます。
◎インプラントには神経がありませんので、感染症を起こしても自覚がないのです。インプラントがグラグラしてきたり、埋め立てたところから膿が出たりしてから初めて気がつくのですが、こうなってしまってからでは手遅れになりかねません。
治療が終了した後は、必ず定期的に検診を受けましょう!!
◎インプラント治療後、最初の1年は、まだ骨が固まっていく過程にあります。
3〜4か月ごとに1回、定期検診を受ける事になります。レントゲンを撮って、順調に骨が着いていっているかの確認をします。
◎1年目を過ぎると、インプラントに異常が起きる確率は非常に少なくなりますので、1年に1回の検診で十分となります。
検診では、インプラントと歯肉の状態、歯周組織検査、噛み合わせのバランスのチェックをし、歯科衛生士による口腔清掃方法の確認と指導と除石などの歯の手入れを行います。
インプラント手術による情報、骨の状態、歯肉の状態、口腔内全体の状況など、施術した歯医者さんが一番良く分かってくれています。
責任をもってチェックしてくれる筈なので、検診は、インプラント治療を受けた歯科医で行うことを勧めします。
インプラント治療に不適な人
インプラント治療がどんなに良い治療法であっても、インプラントの手術に適さない人もおります。治療を受けることができない人とは、どのような人でしょうか?
・妊娠中の女性。歯根自体に感染症がある人。歯周病の人。あご骨の量が少ない人。
・骨粗しょうの人は、インプラント治療が制限されます。医師が適切な処置をした後で、インプラントの治療を受けられる場合がありますが、念入りな事前準備が必要になります。
・16歳以下の人はまだあごの骨が成長し終わっていないので、インプラント手術を受けることができません。
・インプラントの治療後、口内を清潔に保つ必要がある為、きちんと歯が磨けるかどうかは大変重要なポイントになります。
歯を毎日磨くことが困難であると判断された場合は、インプラント手術を受けることができません。
・アルコール依存症の人(インプラントの術後、しばらくの期間はアルコールを控える)。医師との意思疎通が困難な精神的に問題のある人もインプラントの施術は難しいです。
・チタンアレルギーのある人もインプラントの手術を受けることは困難と言えます。
*インプラント治療の方法は日進月歩、新しい方法がどんどん開発されています。今日インプラント治療が出来なくても、明日は施術出来るかも知れません。インプラント治療法の進歩の速さには驚きます。