審美歯科ホワイトニング（ブリーチング）の知識を少し
口元の美しさは、その人の第一印象に大きく影響します。審美歯科は、機能面での歯科治療だけでなく、治療後の見た目の美しさ、自然さ、見栄えなどの審美的な要素にも重点を置いて治療を行います。審美歯科では、1本の歯だけでなく口元や顔全体のバランスを考慮して治療してくれるので、まずはカウンセリングを受けることをお勧めします。歯が美しければ笑顔も美しい、ので就職活動をしている学生、特に営業や接客などの業種を希望する学生は、審美歯科のホワイトニングへの関心が高いそうです。
審美歯科で行うホワイトニングは、色素を白くする薬剤を歯の表面に塗って、光と熱を当てて歯を白くしていくという方法を使います。歯が持つ本来の白さよりも歯を白くすることができます。芸能人など、人に見られる仕事をする人たちがこの審美歯科のホワイトニングをよく行っています。
●歯が黄色くなる原因は幾つかあります。
・もともと遺伝的に黄色い歯の色をしている。
・虫歯の治療で神経を抜いたので、歯の色が時間と共に黄ばんできた。
・歯の治療あるいは歯の強打により神経が死んでしまって、歯が変色した。
・コーヒー、お茶、カレー、タバコなどにより歯の表面が色づいてしまった。
・年齢と共に黄ばんできた。
審美歯科のホワイトニングでは、いずれの場合にも歯を白く出来ます。ただし料金には個人差があって、標準のホワイトニングの治療料金とは別料金が掛かるケースもあります。審美歯科でホワイトニングする際にエナメル質の
厚さによりホワイトニング料金の差がでる事もあります。男性の方がエナメル質は厚いので、料金が高くなるというように個人差があります。
●ホワイトニングは歯科医院oｒ自宅。どちらで？
・オフイスホワイトニングは、歯科医の診断の元、シェードガイドという歯の白さの比較表などを利用して、効果をみながら行っていきます。値段はピンからキリまであります。
・ホームホワイトニングは、自宅でホームホワイトニングキットを用いて自分で行うようになります。オフィスホワイトニングに比べて費用は安くできます。自身で行いますので、まず安全を重視して行うのでその効果がでるまで１週間程度かかります。
●ホワイトニング（ブリーチング）直後の注意点など。
ホワイトニング直後は歯の象牙質の水分が脱水されていますので、水分を吸収しやすい状態になっております。色の濃い飲食物を口に入れるとそれが歯に吸収され、ホワイトニングの効果がなくなってしまいます。
オフィスホワイトニング直後なら最低２４時間、ホームホワイトニング直後なら最低30分は、着色しやすい飲み物や食べ物、タバコなどは控えるようにします。
「オフィスホワイトニング」について
●「オフィスホワイトニング」は歯科医院で受けるホワイトニングです。
レーザーなどの特殊な機器を使って行います。最近のオフィスホワイトニングは主に特殊な薬剤（主に過酸化水素など）を歯の表面に塗り、其のあと歯肉を保護し、レーザーや特殊な光（ブライトスマイル：ガスプラズマライト、ビヨンド：ハロゲンライト、ルマクール：LED、ズーム：メタルハライドを使用）などを照射して化学変化を起こして歯を白くします。治療時間は３０分～２時間程です。割合手軽に短い時間、期間で歯を白く出来るので、日本では、オフィスホワイトニングの方が人気があります。
またオフィスホワイトニングは一般的に無痛とも言われていますが、レーザーや光を照射した後24時間の間に多少の痛みを感じる事もあるようです。ホワイトニング治療が終わったあとおよそ１日位は締め付けられるような感じのちょっとした違和感がでたり、軽い痛みなどを感じるケースがあるという事です。この違和感や痛みはオフィスホワイトニングの特徴の一つだそうで、我慢できないほどではありません。
オフイスホワイトニング後のメンテナンスは３～４ヶ月に１度位の割で行います。
●オフィスホワイトニングの料金
審美歯科のオフィスホワイトニングで1回で白くするシステムでの料金は、1回60,000円～80,000円程度です。数回かかるものだと1回数千円～2万円程度です。通常、効果の高いものほど料金も高くなります。
オフィスホワイトニングの一般的な値段はホワイトニングを行なう回数やその後のサポートによっても異なり、オフィスホワイトニングの料金は１０万円を超える高額料金もあります。この場合はホームホワイトニングとセットであることが多いです。また、総合的な審美歯科のホワイトニングを行なうコースである場合もあります。
オフィスホワイトニングは即効性があるので、人気もありますが、効果の持続期間はあまり長くありません。一度のホワイトニングで歯を白く保てる期間は１年弱ほどです。歯が白く維持できる時間が短いので、より効果が続くように多くの歯科医院では料金は高くなりますが、ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングを併用したり、あるいはオフィスホワイトニングを定期的に受けられるよう長期的なサービスを行なっています。
●「オフィスホワイトニング」で、どの位まで歯を白くできるか？
オフィスホワイトニングの手法はどの位の効果があるのでしょうか・・・？審美歯科のオフィスホワイトニングでは様々な方法で歯を白くするのですが一般的には薬品を歯に塗布し特殊な光を照射する事で歯を白くします。即効性に関してはマウスピースと薬品を使うホームホワイトニングに比べ速いようですが、ホワイティング後には歯に再び色素が沈着してしまいます。それは半年後ぐらいから少しづつ始まって、2年ほどで元の歯の色に戻ってしまいますので、定期的なホワイトニングが必要です。ホワイトニングで理想的な方法はオフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用して行なう事であり、歯を出来るだけ長い間白く保つ為には必要な事となります。
「ホームホワイトニング」について
歯が白くキレイであればいいのにと願う人はとても多いです。歯並びが綺麗で虫歯がなくても、黄ばんでいる歯は印象がくすんでしまいがちです。にっこり笑った笑顔から見える白く輝く歯は、とても明るい好印象を与えます。歯をホワイトニングすることで、笑うことに抵抗がなくなったり、表情が明るくなったという人もたくさんいます。ホームホワイトニングは、自宅でテレビを見ながら、読書をしながらといった何かをしながらでもホワイトニングができます。忙しい人にとってはとてもうれしいのがホームホワイトニングです。始めにカウンセリングを受ければ、何度も通院することも不要ですし、価格も歯科医院にすべて任せるよりもかなりリーズナブルです。
●ホームホワイトニングは自宅で、自身で行うホワイトニングです。オフイスホワイトニングより期間はかかりますが元に戻る時間もゆっくりです。初めにオフィスホワイトニングを行い、その後に続けてホームホワイトニングを行なうと、白い歯をより長い間ホワイトニング効果の持続をすることができます。
歯科医院で、自分の歯に合わせた専用マウストレーを製作して貰って自宅で専用ジェルを入れたマウストレーを一日3～4時間づつ、最長2週間位装着してホワイトニングするだけです。自然な歯の白さまでは戻ります。人によっては、長時間の使用で口の中が気持ち悪くなること、知覚過敏のようにしみることがありますが、使用が終われば全て解消されることなので問題はありません。
ホワイトニングの治療については、歯が白くなるのに個人差がありますし、また歯が白くなったと感じる度合いも人により違います。ですからホワイトニングの治療前に歯科医から十分な説明を聞いて納得してホームホワイトニングの治療を行うようにしましょう。そしてホワイトニング後の手入れの歯磨きを、ホワイトニング専用の歯磨き剤を使って徹底して行い、飲食物に注意するだけでもホワイトニングの効果は長持ちします。歯の白さや健康を保つ為、かかりつけの歯科医院を決め、半年に一度の定期健診や歯石除去などのホームホワイトニングのメンテナンスは大事です。
ホームホワイトニング後の自宅でのホワイトニングは、一ヶ月に１～3位の割で行います。
●ホームホワイトニングの費用
ホームホワイトニングの費用は、一般的には１０万円弱位と言われています。クリニックや歯科医によってもホームホワイトニングの価格に多少の差はあります。
まずはカウンセリングを受けて、治療前の歯の状態を見て貰い、ホワイトニングに掛ける時間や薬剤の量を決める必要があります。これらの内容によってホームホワイトニングの費用は変わってきます。また元々の歯の色によってもホワイトニングで白くできる程度は変わってきますし、他の治療と一緒に行うなどの条件によって必要な時間も違ってきます。
ホワイトニングのために高い料金を支払ったからといっても真っ白い歯になるわけではありません。毎日しっかりと歯磨きを行う。タバコを吸わない。着色し易い食べ物は食べないようにする、などの生活習慣も大きく関わってきます。
ホワイトニングを受ける前の注意点と「通販のホームホワイトとニング」について
●ホワイトニングは、殆どの人が受ける事が出来るといわれていますが、やはり辞めておいた方が無難な人もおります。そんな事も含めて注意点を少し・・・
・ホイトニングを避けたほうが良い人は、妊娠中の人、妊娠の可能性のある人、授乳中、知覚過敏症があまりにも強度の人、まだ歯が完全に発達していない子供。
・すべてのホワイトニングの前に、虫歯や歯周病がないか、歯肉炎などがないか、ホワイトニングに適した歯かどうか、検査とカウンセリングが重要な鍵となります。
・低料金は目をひきますが、値段だけで選んでしまうと後悔することになるかもしれません。1本1575円と謳っている審美歯科もあれば、数回分のセット価格になっている歯科もあります。1回だけでは真っ白になるのは難しいでしょう。キレイな白い歯にするには、それだけ料金はかかりますので、事前に料金についてもよく調べておくことは大事です。
●通販で手に入るホームホワイトニングのキットについて
通販で簡単にホワイトニングのキットが手に入るようですが、さまざまな注意が呼びかけられているのが現実です。まずホームホワイトニングは歯科医の指導の下で行う事は必須だと思ってください。きちんと歯医医院で歯の状態を診てもらった上でホームホワイトニングを実施するようにしないと、とんでもない結果が待ち受けています。
なぜなら、通販で売られているホワイトニングのキットは海外の製品が多く、特にこれらには気をつける必要があります。どうしてか？ その理由は歯のエナメル質が日本人は外国人より薄く、日本人が海外のホームホワイトニングのキットを使用するには、ホワイトニング用の薬剤（過酸化水素か過酸化尿素＝消毒薬のようなもの）の濃度が高く、強すぎるケースが多いからです。そのため通販で手に入れたホワイトニング剤を使ったところ、知覚過敏を起こして歯が痛み出したり、しみたりといったトラブルがとても起こりやすいのです。
ついつい安いと飛びついてしまいがちです。しかし、これらの海外のホーム
ホワイトニングキットについては、厚生労働省からも注意が呼びかけられており、自宅で行うホームホワイトニングも事前にしっかりと歯科専門医に相談してから行うようにしましょう。
「歯」の構造を知っていると大変便利です。
歯の構造を知っておく事は、カウンセリングを受ける時にも大変役立ちます。歯科医との話もスムーズに進みます。こちらから現在の状態を伝える時も話が通りやすいので、担当の歯科医師や、歯科衛生士との関係も意思の疎通がしやすくなり、親近感も湧き易くなります。
歯の構造は「歯冠」「歯根」から成り立っています。
●歯冠（歯ぐきより上の部分）
①エナメル質：歯冠部（歯の頭の部分）を覆っている部分です。人体の中で最も硬い組織です。この部分は再生能力がないためいったん崩壊してしまうと自然治癒しません。年齢とともにすり減っていき（咬耗：こうもう）薄くなっていく傾向があります。
②象牙質：エナメル質の下の層にある組織です。エナメル質より柔らかいです。ここの部分に虫歯が達すると、後は進行がとても速くなります。象牙質は歯髄側のなかでも僅かに再生能力があります。歯髄を保護するように働きます。この象牙質の部分に刺激が加わりますと痛みを感じます。
●歯根（歯ぐきに隠れた部分）
③歯髄：「歯の神経」と呼ばれるところで、「歯の神経を抜くきます」といわれた時、これらの組織がすべて取り除かれます。専門用語では「抜髄（ばつずい）」。歯髄は神経線維のほかに、小動脈や小静脈などの毛細血管、リンパ管を含んでいます。
④セメント質：歯槽骨に埋まっている部分で、歯根部の象牙質を覆っている部分です。骨と同じくらいの硬さを持つ組織です。セメント質は、比較的弱いので傷つきやすいのですが、歯根表面の損傷に対して修復する機能を持っています。結合組織の歯根膜をつなぎとめる役割もしています。そして、セメント質は歯の硬組織として扱われる場合もあります。
⑤歯根膜：歯根と歯槽骨の間にある薄い膜で、両者をつないでいます。噛む力に対してクッションの役目をしたり歯に栄養を送っています。感覚受容器としても働いています。
⑥歯槽骨：顎の骨の中で歯（歯根）を支えている骨です。歯周病（歯槽膿漏）により溶けていくのはこの歯槽骨です。歯がグラグラになったり、抜け落ちたりします。破壊された歯槽骨は再生療法と呼ばれる治療を行ない再生させますが再生療法を行っても100％元の状態にはなかなか戻せないのが現状です。
⑦歯肉：いわゆる「歯ぐき」です。正しくは歯肉（しにく）と言います。ここが炎症を引き起こした状態を歯肉炎といいます。さなざまな病気のシグナルがこの歯肉に現れることが多いので、歯肉の検査はとても重要です。
＊歯のホワイトニングについていろいろ述べてきましたが、テトラサイクリン（抗生物質）により変色した歯や、フッ素沈着症、エナメル質形成不全症の場合は、完全に白くすることは、現在の審美歯科のホワイトニング（ブリーチング）治療では困難のようです。
その時は、審美歯科では、ラミネートベニアで改善する方法を取ります。また、神経が死んでしまって黒ずんだ歯、天然歯でない歯もホワイトニングは向きませんので、歯の状態によって審美歯科の歯の治療法の、セラミックインレーとかセラミッククラウンで白くする事が出来ます。